水墨画 描き方
水墨画の描き方としては、まず、小さなスケッチブックと柔らかめの鉛筆で、スケッチしてみることから始めることをオススメします。
それなりに絵を描いていた経験があれば別ですが、初心者の場合は、構図の取り方や描くものの特徴の捉え方などを練習する必要があるのです。
スケッチに慣れて、そこそこ自分で満足できる絵がかけるようになったら、水墨画を描いてみます。
水墨画にはたくさんの技法があり、それに合わせて筆の持ち方も変わるので、とりあえず、持ちやすい持ち方で持ってみてください。
筆は予め全部ほぐしてしまいます。
ほぐした筆を水に浸してから、余分な水をふきんなどで取り、筆の先に墨をつけて、太い横線を引いてみましょう。
筆を寝かすようにして、なるべく同じ幅になるように引きます。
次に、筆を立てた状態で筆の先だけを使うようにして、細くて均一な線を横に引いてみてください。
最初は手が震えて上手く引けなくても、練習しているうちにできるようになると思います。
この二つの線の引き方が水墨画の描き方の基礎中の基礎です。
ある程度、線が引けるようになったら、この二つの線を使って、水墨画を描いてみましょう。
細い線で輪郭を描き、輪郭を描きたくない時には太い線を使います。
これだけで物足りなくなってきたら、にじみやぼかしなど、他の技法も学んでみてください。
少しずつ、使える技法を増やしていけば、楽しみながら表現の幅を広げていけるはずです。
宮本武蔵 水墨画とは
宮本武蔵は生涯無敗の剣豪として有名ですが、思想家や芸術家としても一流でした。
宮本武蔵が描いた水墨画は、四点の作品が重要文化財に指定されており、少ない筆の数で的確に対象を捉えた作品が多く、大胆に残された余白や構図の素晴らしさが特徴だと思います。
江戸時代の後期にはすでに宮本武蔵の水墨画は高く評価されていたようで、その後、時代が移り変わっても、宮本武蔵の水墨画から伝わってくる高い精神性は人々を魅了してきました。
他の水墨画にはそれほど魅力を感じないけど、宮本武蔵の水墨画は好きだという人も多いのです。
宮本武蔵の水墨画は、花鳥画と道釈人物画がほとんどで、花鳥画には、「鵜図(うず)」、「芦雁図(ろがんず)」、「遊鴨図(ゆうおうず)」、「枯木鳴鵙図(こぼくめいげきず)」、「竹雀柳燕図(ちくじゃくりゅうえんず)」などがあり、道釈人物画には、「正面達磨図(しょうめんだるまず)」、「布袋図(ほていず)」、「芦葉達磨図(ろようだるまず)」などがあります。
他にも、「茄子図(なすず)」、「野馬図(やばず)」などが有名ですが、宮本武蔵は公開しようと思って水墨画を描いていたわけではないらしく、一点を除いては署名も落款もしていなかったようです。
宮本武蔵の水墨画には、いつの時代も人気があったため、数多くの贋作が作られました。
宮本武蔵の作品ではなくても、宮本武蔵作と伝えられた水墨画も多いようです。
真作の宮本武蔵の水墨画は、熊本県立美術館や岡山県立美術館、永青文庫などに所蔵されています。
牡丹水墨画とは
古くから牡丹は水墨画の題材として人気のある花です。
中国では、牡丹は繁栄や富を象徴する花で、多くの水墨画家が描いてきました。
もちろん、日本でも牡丹を描いた水墨画作品は好まれています。
牡丹は屏風絵や襖絵の題材にもよく使われてきました。
水墨画の初心者に、描き方を教える教室などでも、牡丹は頻繁に題材として取り上げられています。
水墨画の描き方を解説した本の中には、牡丹を中心に特集したものもあるくらい、牡丹は人気の高い題材なのです。
百花の王ともいわれる牡丹の花は、描いてみると意外と難しい花でもあります。
牡丹の幾重にも重なり合った花びら、ふっくらした丸み、複雑な葉の向きなどが、難易度をあげているみたいです。
描く人によっても、牡丹の描き方は違うようですが、墨絵で描く場合、赤い牡丹と白い牡丹では描き方を変えるのが一般的です。
また、墨の黒一色で牡丹の華やかさや優美さを表現するのは難しいため、彩色することも多いようです。
牡丹は大輪の花なので、一輪を大きく紙一杯に書いても豪華な印象になります。
構図を工夫して、大小の牡丹を並べたり、他の題材と組み合わせて描いても、面白い作品になるでしょう。
有名な水墨画家達が牡丹を描いた作品の構図や描き方を比較してみるのも、興味深いかもしれません。
その水墨画家によって、牡丹の描き方や他の題材との組み合わせ方に違いがあります。
ちなみに、牡丹以外の水墨画で人気のある植物の題材としては、竹や蘭、菊、梅、桜、菖蒲などがあげられます。