雪舟水墨画とは
雪舟水墨画とは、画聖と呼ばれ、日本の水墨画の全盛期を築いた水墨画家の一人、雪舟が描いた水墨画のことです。
雪舟は室町時代に活躍しましたが、その構図美と独特の世界観は今でもみる人を魅了します。
雪舟の水墨画は、現存する作品のうち、六点が国宝に指定されているのですが、雪舟以外の画家でそんなにたくさんの作品が国宝に指定されている人はいません。
雪舟は日本人で初めて、外国の切手に描かれた人物でもあります。
日本だけでなく、世界中に雪舟の水墨画のファンがいることからも、その作品の素晴らしさがわかるでしょう。
雪舟はとても有名な人物にもかかわらず、その生涯に謎が多いことでも知られています。
生きていた当時も有名人だったはずなのに、没年でさえ、明確ではありません。
雪舟が中国(当時は明)に渡るまでの日本の水墨画家は、中国の水墨画家が描いたみたこともない中国の風景を真似するという形で作品を描いていたそうです。
雪舟は中国に行くことで、実際に中国の風景をみて、それを描きました。
その絵には実際にみていなければ描けないような現実感と迫力があります。
日本に帰ってきてからも、雪舟は旅をしてみた日本の風景を描き、日本の水墨画の流れを変えたのです。
1479年頃からは、周防(山口県の東南半)の雲谷庵(うんこくあん)というアトリエで制作活動をしていたといわれますが、はっきりとした記録は残っておらず、アトリエの正確な位置もわかりません。
水墨画 用品
水墨画用品について説明したいと思います。
最初に、筆ですが、技法や描く題材などに合わせてたくさんの種類があり、初心者はどれを買えばいいのか迷ってしまうかもしれません。
とりあえず、始めは長流筆の中や大、面相筆あたりを買っておいて、必要に応じて好みの筆を揃えていきましょう。
墨や硯は習字に使ったものでかまいませんが、墨汁は使えません。
習字用の墨と水墨画用の墨は違うもので、水墨画用の墨の方がにかわの量が多く、青系黒の松煙墨と茶系黒の油煙墨があります。
同じ大きさの墨の場合、持った時に軽い方がいい墨です。
硯の良し悪しは、初心者には判断が難しいので、新たに購入する場合は、シンプルな形の二千円から四千円くらいのものを買うといいです。
水墨画で使う紙には、麻紙(まし・あさがみ)、画仙紙(がせんし)などがあり、それぞれ特徴に応じて使い分けるようにします。
麻紙は、粗い紙肌で画仙紙などに比べてにじみにくいのが特徴です。
画仙紙は墨の吸収がよく、中国産の本画仙と日本産の和画仙があります。
水墨画用の紙は産地や材料、製法などが違う紙がとてもたくさんあるので、いろいろと試してみて、描きたい題材に適した紙を使うようにするといいでしょう。
下敷きは、習字用の紺のものでも充分使えますが、白いものの方が墨色がわかりやすくてオススメです。
水入れやパレットのように使用する白い小皿、紙を押さえておく文鎮の他に、ふきんもよく使います。
水墨画 描き方
水墨画の描き方としては、まず、小さなスケッチブックと柔らかめの鉛筆で、スケッチしてみることから始めることをオススメします。
それなりに絵を描いていた経験があれば別ですが、初心者の場合は、構図の取り方や描くものの特徴の捉え方などを練習する必要があるのです。
スケッチに慣れて、そこそこ自分で満足できる絵がかけるようになったら、水墨画を描いてみます。
水墨画にはたくさんの技法があり、それに合わせて筆の持ち方も変わるので、とりあえず、持ちやすい持ち方で持ってみてください。
筆は予め全部ほぐしてしまいます。
ほぐした筆を水に浸してから、余分な水をふきんなどで取り、筆の先に墨をつけて、太い横線を引いてみましょう。
筆を寝かすようにして、なるべく同じ幅になるように引きます。
次に、筆を立てた状態で筆の先だけを使うようにして、細くて均一な線を横に引いてみてください。
最初は手が震えて上手く引けなくても、練習しているうちにできるようになると思います。
この二つの線の引き方が水墨画の描き方の基礎中の基礎です。
ある程度、線が引けるようになったら、この二つの線を使って、水墨画を描いてみましょう。
細い線で輪郭を描き、輪郭を描きたくない時には太い線を使います。
これだけで物足りなくなってきたら、にじみやぼかしなど、他の技法も学んでみてください。
少しずつ、使える技法を増やしていけば、楽しみながら表現の幅を広げていけるはずです。